【IME代表取締役・大西猛様インタビュー】インフラテック・ジャパンと協業する目的やビジョンについて語って頂きました!

まずは、自己紹介をお願いします。
大学卒業後、業界最大手のショーボンド建設に入社し、橋梁・トンネルの補修・補強工事に従事しました。その後、山陽ロード工業では、メンテナンス事業部長として率いて、メンテナンスに関わる事業を、年商14億円超にまでに成長させました。「インフラメンテナンス事業を日本全国に展開したい」との想いがあり、2023年、IME株式会社を設立しました。

IMEの会社概要、事業内容について教えてください。
IMEは、「補修・補強技術を駆使し、インフラの安心・安全を守るとともに、地球環境の保全に努める」という企業理念を掲げています。岡山市に本社があり、橋梁・トンネルの補修・補強に特化したインフラメンテナンス企業です。事業内容としては、「自社で橋梁・トンネルの補修・補強工事を行う事業」、「商社としてインフラメンテナンス製品の販売を行う事業」の大きく2つがあります。

IMEの強みについて、教えてください。
一つは、橋梁・トンネルの補修・補強に特化したインフラメンテナンス企業として、施工力・技術力を磨き続けていることです。この分野では、施工のノウハウ・技術力・実績、メンテナンス製品の知識などは、国内トップレベルだと自負しています。
もう一つは、自社で施工を行うだけでなく、国内で唯一、同業他社に対する「施工サポート・技術サポート」、「入札・営業サポート」、「メンテナンス製品販売」、「設計サポート」、「人材育成支援(現場インターンシップ)」をトータル提供していることです。
これらの強みを生かして、橋梁・トンネルの補修・補強に特化したインフラメンテナンス事業を日本全国に展開・拡大したいと考えています。

「創業2年目で売上高7億円超」という成長スピードを実現できた理由は何ですか?
大きく2つあります。一つは、一緒に働いてくれるメンバーや協力会社に恵まれたことです。創業間もない会社ですが、橋梁・トンネルの補修・補強に関する高度な技術をもったメンバーが集まってくれました。また、協力会社については、創業直後の資金繰りに余裕がなかった時期に、支払い期日などの面で助けていただきました。
もう一つは、「橋梁・トンネルの補修・補強技術」を武器として、事業展開を図ったことです。前職までにお付き合いがあったお客様が、私個人としての技術や実績を評価してくださり、創業直後からたくさんの発注を頂けました。また、当社の資金繰りを配慮し、前払いで発注を頂いたこともありました。
こうして少しずつ実績を積み重ね、創業から約1年後には、銀行から1億円の融資を受けることができました。その資金調達によって、1億5000万円というメンテナンス製品の大型受注が実現できました。このように一緒に働くメンバー、協力会社、お客様の助けがあったからこそ、早いスピードで成長することができたと考えています。

多くのインフラメンテナンス企業が抱える課題とは?
一般土木企業の多くは、橋梁・トンネルの補修・補強工事の入札し参加し、受注できたとしても、最適な施工ができないことが少なくありません。国土交通省や地方自治体は、一般土木工事の工法や管理方法を定めた「土木工事共通仕様書」を発行していますが、それには、橋梁・トンネルの補修・補強工事など、インフラメンテナンスの工事については、十分な定めがなされていないことが多いです。そのため、多くの一般土木企業にとって、インフラメンテナンス事業への参入は容易ではありません。
IMEは、橋梁・トンネルの補修・補強に関する様々な文献を参照し、明確な根拠に基づいて、現場ごとに最適な施工を行っていますが、実はこれができる企業はかなり限られています。また、建設コンサルタント企業が、こうした文献根拠に基づき、設計を行う場合でも、文献を正しく理解できず、間違った設計をしてしまうことも少なくありません。
入札に関しても、「この工事にはどのような資格や技術をもったスタッフが何名必要なのか?どのような資材を使用すべきなのか?」などの根拠に基づいて、見積もりを提出する必要がありますが、多くの一般土木企業にとって、こうした見積もり算定は容易ではありません。また、インフラメンテナンス関連製品は無数にあり、情報が公表されていないものも多いため、経験則に基づいて、見積もりを算定しなければならないなど、特有の難しさがあります。

インフラテック・ジャパンとの協業を開始する理由や目的、今後の取り組み、ビジョンについて教えてください。
インフラテック・ジャパンとIMEは、「世の中のインフラを良くしたい」という共通する想いを持っている一方、それぞれ全く異なる強みを持っています。インフラテック・ジャパンは、M&A、資金調達、経営支援を強みとする一方で、IMEは、橋梁・トンネルの補修・補強技術に強みがあります。両社の異なる強み・武器を生かすことで、多くの事業シナジーを生み出すことができると考えています。
まずは、両社で「インフラメンテナンス企業の価値向上」をミッションとする「インフラ守るくんプロジェクト」を立ち上げ、推進していきます。その一環として、このプロジェクトに共感してくれる仲間(パートナー企業)を集め、インフラメンテナンス(当面は橋梁・トンネルの補修・補強工事)に関する勉強会やイベントなどを開催していきたいと考えています。
私たちの仲間になって頂いたパートナー企業に対して、IMEが橋梁・トンネルの補修・補強業務に関して、「施工力・技術力の向上」、「入札・営業力の向上」、「技術者育成」などを、トータルでサポートしていきます。それを継続することで、インフラメンテナンス企業群の仲間が増え、世の中のインフラをより良くすることに繋がっていくと考えます。
企業が1社単独でできることには限りがありますが、インフラテック・ジャパンとの協業により、インフラメンテナンス企業群を形成することができれば、より広域で、より多くのインフラを守れるようになります。それにより、「補修・補強技術を駆使し、インフラの安心・安全を守る」という当社の企業理念の実現はより加速すると考えています。

IMEが磨き上げた施工ノウハウや技術を、どのような方法でパートナー企業に伝授していくのですか?
既に、案件ごとに、施工・技術サポート、入札・営業サポート、最適なメンテナンス製品の提案、設計サポートなどを行っています。また、橋梁・トンネルの補修・補強工事の技術者を育成するための現場インターンシップの受け入れも行っています。
これに加えて、今後は、当社の持つ知見やノウハウを体系化した「橋梁・トンネルの補修・補強工事マニュアル」を開発したいと思っています。それにより、パートナー企業の皆様が、代表的な工法、管理方法、材料、見積もり作成方法などに関する知見・ノウハウを習得しやすくなります。また、インフラメンテナンス企業群として成長する上でも、こうしたマニュアルの整備、人材育成の仕組み化などは重要だと考えています。

インフラテック・ジャパンとの協業によって、どんなインパクトを生み出したいですか?
インフラテック・ジャパンと協業し、インフラメンテナンス企業群としての成長を目指したいです。企業群として成長する過程で、様々な課題が生じると思いますが、そこに、新しいインパクトを生み出すチャンスがあります。
例えば、より良い施工を行うために、新しい材料や工法が求められることがあります。そのような課題を1社単独で解決するのは難しいですが、企業群だからこそ、各社の知見・経験・ノウハウ・技術を持ち寄り、より良い解決が図れると考えています。
また、企業群を形成することで、業務量の平準化も可能になります。例えば、自治体の案件は、3月末までの工期となることが多いため、3月までは業務量が多く、4月以降は少なくなるという傾向がありますが、国交省やNEXCOの案件は、工事規模が大きく工期設定も長いことから年間を通して業務があることが多いです。企業群の中で、各社が協力・サポートし合うことで、業務量の全体最適化を図ることができ、人材不足の解消にもつながります。

IMEとしての今後のビジョンをお聞かせください。
まずは、インフラテック・ジャパンと共に、「橋梁・トンネルの補修・補強工事分野のインフラメンテナンス企業群として、10年以内に日本No.1」を目指したいです。もちろん、IMEとしては、その企業群の中で自己研鑽を続け、橋梁・トンネルの補修・補強技術では、国内トップレベルであり続けたいと考えています。また、企業群の皆様に、当社の技術やノウハウを提供していくことで、業界全体にインパクトを与えたいです。
更に、将来的には、海外市場への展開を目指したいと考えています。インフラの老朽化は、日本に限った問題ではありません。アジアでいえば、タイやインドネシアなどの地震大国において、耐震補強などは未成熟です。日本で磨き上げたインフラの耐震補強技術などを、こうした海外諸国にも提供できるようなインフラメンテナンス企業を目指したいです。
