企業事例
インフラメンテナンス産業:世界のリーディング企業とは?
インフラメンテナンスを主力事業として展開する世界のリーディング企業について紹介します。多くの企業は、世界中で積極的なM&Aを行い、事業を多角的に展開する「グローバル・コングロマリット企業群」となっています。
VINCI(ヴァンシ:フランス)
- コンセッション、エネルギー、建設、不動産の4事業を併せ持つフランスの総合インフラサービス事業者
- 18万人以上の従業員を有する世界的リーディング企業
- 3,200もの事業を100か国以上に展開し、40%以上の売上を国内以外で稼ぐ
- 全EBITに対するコンセッション事業の割合は64%(2023年)
- コンセッション事業は道路、空港、鉄道、スタジアムなど。世界17ヵ国・57ヶ所で展開
- 2021年、スペイン・ACSグループのエネルギー部門(グループ子会社Cobra IS)を49億ユーロ(約6300億円)で買収
- 2023年の売上高は、688億3800万ユーロ(約10兆8000億円)、純利益は47億200万ユーロ(約7400億円)
(出所)同社のWEBサイト
ACS Group(スペイン)
- スペインに本部を置き、主に建設、エンジニアリング、通信分野で事業を展開
- Construction(道路・鉄道・ビル等の土木・建設工事)、Industrial Services(電力・ガス・通信・水道インフラ等のエンジニアリング)が主力事業
- 世界30ヶ国以上でプロジェクトを展開。従業員数は5万7000名以上
- 道路清掃、廃棄物収集、輸送、廃棄物リサイクル、水循環と都市造園などの事業も手掛ける
- 国際展開では世界1位のインフラ・エンジニアリング企業(世界の交通インフラPPPにおける契約金額、参画件数は、世界トップ)
- 2023年の売上高は、357億3800万億ユーロ(約5兆6000億円)、純利益は7億8000万ユーロ(約1220億円)
(出所)同社のWEBサイト
Ferrovial(フェロビアル:スペイン)
- スペインに本部を置く総合インフラ会社
- 高速道路などのインフラ建設から、空港などの公共施設運営・管理まで事業を展開
- 欧州・北米・南米を中心に、世界15ヵ国以上で展開し、従業員数は全世界で2万4,000人以上
- そのほか、輸送、環境、天然資源(石油・ガス・鉱業)、公益事業(水・電気)のインフラの保守・運用、施設管理サービスも手掛ける
- 世界の交通インフラPPPにおける契約金額、参画件数は、ACS Group(スペイン)に次いで、世界トップレベル
- 2023年の売上高(継続事業)は、85億1400万ユーロ(約1兆3000億円)、純利益は6億1400万ユーロ(約960億円)
(出所)同社のWEBサイト
HOCHTIEF(ホッホティーフ:ドイツ)
- ドイツに本部を置く、総合インフラ企業
- 輸送、エネルギー、都市インフラ、鉱業などの建設・土木工事プロジェクトを手掛ける
- CIMICグループ(オーストラリア)、Turner Construction Company(アメリカ)、Flatiron(アメリカ)などの子会社を通じて、北米やアジア太平洋で事業を展開
- 一方、ACS Group(スペイン)は、Hochtiefの大株主となっている
(出所)同社のWEBサイト
Mundys(ムンディス:イタリア)
- イタリアに本拠を置き、高速道路や空港などの運輸インフラを管理する持株会社
- 24カ国でコンセッションの管理・運営を展開
- 主な事業セグメントは、高速道路コンセッション、空港コンセッション、モビリティサービス
- グループ傘下のアウトストラーデ・ペル・イタリアは、イタリアの高速道路の半分を運営。コンセッションにより運営権を保有する事業体としては同国最大
- 2023年に、Atlantia(アトランティア)から社名変更
(出所)同社のWEBサイト