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米国株式市場、インフラへの資金流入が続く
米国株式市場でインフラの開発・運営を投資対象とするETF(上場投資信託)への資金流入が加速しています。本コラムでは、そのポイントをまとめます。
1.インフラ関連のETFへの資金流入が加速
- 米国に上場する355本のETFについて、2024年1~9月の資金流入額(推計値)を、モーニングスター・ダイレクトが調査 ・純流入額でトップ5のうち、インフラ関連のETFが3本ランクイン
- 純流入額の首位は、インフラ開発・運営を手掛ける銘柄を投資対象とする「グローバルX米国インフラ開発ETF」で、約15億ドルが流入(2023年通年の流入額:約9.6億ドルを上回る) ・同ETFは、建機レンタル大手のユナイテッド・レンタルズ、送電網工事のクアンタ・サービシズなどを組み入れている
- 純流入額の4位は、製造、建設、エンジニアリングなどの資本財セクターを投資対象とする「ファーストトラストRBA米国産業ルネサンスETF」
2.なぜ、インフラ関連への資金流入が続くのか?
- アセットマネジメントOneで米国のインフラ関連株に投資するファンド「グレート・アメリカ」を運用する倉知弘和氏(ファンドマネージャー)は、下記の見方をしている
- 米国ではインフラの老朽化が進んでおり、更新需要がベースにある
- 2021年に成立した「インフラ投資・雇用法」などにより、インフラの開発や運営を手掛ける銘柄は中長期で上昇する
- 「インフラ投資・雇用法」は、道路、橋、鉄道など従来型のインフラに加えて、クリーンエネルギー、高速通信などが投資対象に含まれている。米国のインフラ政策は裾野が広い
3.AI・EVなどテクノロジー関連のETFは、流出が目立つ
- 流出額が最も大きかったのは、ハイテク企業の投資に特化した「アーク・イノベーション」で、約25億ドルが流出
- ネットフリックス、ペイパル・ホールディングスなどインターネット関連銘柄を組み入れた指数への連動を目指す「ファースト・トラストDJインターネット・インデックス・ファンド」からは、約8億ドルが流出
【参考】日本経済新聞(2024年10月22日)