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下水道管の老朽化が進む。耐用年数超え380km、20年後は12倍に

2025年2月19日の日本経済新聞(1面・4面)に、下水道管の老朽化に関する記事がありましたので、ポイントをまとめました。
サマリー
- 都道府県が管理する下水道管の老朽化が深刻。
- 耐用年数を超える管路は、東京-名古屋間を超える約380kmに及び、今後20年間で12倍に膨らむ。
- 損壊が起きれば、下水の利用自粛により市民生活や産業への影響は避けられない。
- 補修などを行う担当職員は減少しており、抜本的な対策が急務。
下水道管の現状
- 全国49万kmの下水道管のうち、都道府県が管理するのは約7800km(2022年時点)。その大半が流域下水道。
- 耐用年数を超える都道府県管理の管路は、2025年時点で約380km。
- それが2045年には12倍に膨らみ、全体の6割となる約4700kmに達する。
下水道管の老朽化が急速に進む理由
1.大規模更新がされていない
- 行動経済成長期以降、まず、都道府県が汚水を広域処理する流域下水道を整備し、周辺に市町村の下水道が整備された。
- 流域下水道は、維持管理に重点が置かれ、これまで大規模更新された例はほぼない。
2.担当職員の減少
- 急速な老朽化には、先手を打って補修する「予防保全」が不可欠だが、担当する自治体職員が減っている。
- 都道府県に絞ると、下水道事業の職員は、2023年時点で約4100人となり、約30年前から4割も減少。
3.財源不足
- 財源不足も課題。人口減少に伴う利用料金の減少により、独立採算を原則とする下水道事業は8割が「原価割れ」の状態。
4.地球温暖化
- 地球温暖化も、管路の破損リスクを高める。
- 下水道が原因の道路陥没は2022年で2625件あり、その半数は6~9月に発生。
- 管路内の温度が上昇すると、腐食の原因となる硫化水素が発生しやすい。
国の対策:DXを推進
- 石破首相は、上下水道の維持管理のDXを急ぐように指示。
- 1700ほどある地方自治体の上下水道事業でデジタル技術の活用を推進。
- 具体的には、AI管路の劣化度を判定して、漏水リスクを検知する。人工衛星から電磁波を放射し、跳ね返ってきた電磁波を分析して漏水部分を特定する。など
- これまでは、調査員が音を聴くなどして人手で検知するのが一般的だった。
- DXによって、現場の点検作業の省力化、省人化を進め、事故や漏水のリスクをいち早く発見する狙い。
- 全国の上下水道の状況を可視化した3Dマップも作成する。